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本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医にご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

乳がん Q&A

乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。

術後、乳房を新しくつくるには、どのような手術が必要ですか?

人工乳房を入れたり、自分の体の一部を使って乳房の形を整える方法があります。

坂井庸子先生
(東京女子医科大学附属第二病院形成外科)

手術で変形した乳房を蘇らせる「乳房再建」は、女性の生活の質(QOL)を考えるうえで大切な治療です。乳房再建には、人工乳房を入れる方法と、自分の体の一部で筋皮弁(皮膚、脂肪、筋肉からなる塊)をつくる方法があります。
人工乳房の挿入は、鎖骨の下やわきの下に陥没がなく、皮下脂肪が十分に残っている場合に適している方法です。人工乳房には、生理食塩水、ハイドロジェル、シリコンバッグなどの種類がありますが、このうち、感触がもっとも乳房に近いのはシリコンバッグです。一時期、アメリカで発がん性が問題となって製造が中止されましたが、その後の調査では発がんに関連がないとされました。最近では、破れても中味が漏れないタイプのシリコンバッグが人工乳房の主流になってきています。
鎖骨の下やわきの下に陥没があり皮膚が薄い場合には、わき腹の広背筋や腹部の腹直筋を用いた筋皮弁を移植します。筋皮弁で再建した乳房は、自然なやわらかい感じになりますが、一部の脂肪や皮弁が壊死してしまうことがあります。
乳房再建は、乳がんの手術時に同時に行うこともできますし、手術後何年たってから行うことも可能です。ただし、放射線を照射した後は、皮膚の状態が落ち着くまで1年くらい待ったほうがよいでしょう。
最近では、同時再建を前提にした手術法も行われるようになっています。乳輪の周囲を切開して乳頭乳輪や乳腺組織を取り出して、筋皮弁を使って再建する方法です。乳房の皮膚はほぼ温存されるので再建された乳房の形がよく、がんの治療面からも優れています。

乳癌診療Tips&Traps No.3(2001年11月発行)Question3を再編集しています。

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