
男性にも、乳房の病気はありますか?
「女性化乳房症」や「男性乳がん」があります。
■飯野佑一先生(群馬大学大学院臓器病態救急学教授)
男性でも、両側あるいは片側の乳腺が一時的に肥大して、乳頭や乳輪の下にしこりができることがあります。女性ホルモンのエストロゲンが過剰に分泌されたときに起きる症状で、「女性化乳房症」といいます。ごく一部ですが、乳がんの場合もあります。
女性化乳房症が起こる要因としては、思春期のホルモンのアンバランスや薬の影響によるもの、肝臓や副腎などの病気に伴うものなどがありますが、原因がはっきりしないことも少なくありません。
触診や画像検査でしこりが認められた場合は、とくに中高年齢者では乳がんの可能性が高くなるので、乳腺外来など専門医を受診して必要な検査を受けたほうがよいでしょう。
乳がんの場合、女性化乳房症と異なり痛みを伴うことがほとんどなく、片側の乳房の外側にしこりができやすい傾向があります。また、乳頭の変形が起こることもあり、一部には乳頭異常分泌や皮膚潰瘍を伴うものもあります。
男性の乳がんは、乳がん全体の0.5〜1%を占めます。発症年齢は、女性に比べ高いとされています。男性の乳腺は、元来は痕跡のように小さいことや皮下脂肪が女性よりも少ないことなどから、がん細胞は皮膚や筋膜へ広がりやすく、女性の乳がんよりやや進行したものが多いとされています。