検査について
Q

乳がんを早期に見つけるために、どのくらいの頻度で、どのような検査を受ければよいですか?


少なくとも2年に1回マンモグラフィ検査を 受けることがよいでしょう。


■辻一郎先生(東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野教授)
  これまで日本では、視触診のみによる乳がん検診が行われてきました。しかし、厚生労働省研究班の全国調査によると、視触診のみの検診で発見された乳がん症例と検診以外(医療機関)で発見された乳がん症例の10年生存率は、それぞれ80.5%と78.1%で大きな差はありませんでした。
(財)日本公衆衛生協会の報告書でも「視触診単独による乳がん検診については、無症状の場合で検診発見がんの生存率が臨床診断がんより高いことが示唆されているものの、死亡率減少効果がないとする相応の根拠がある」と結論が出されました。
そこで、視触診による乳がん検診にとって代わったのが、マンモグラフィ検査です。
マンモグラフィを用いた乳がん検診は、欧米各国で死亡率の減少効果を調べる試験が行われています。それらを総合すると、マンモグラフィ検査では乳がん死亡率が、50歳以上で23%、40歳代では16%減少していました。日本でもその有効性が期待されて、前述の報告書でも「50歳以上では死亡率減少効果を示す、十分な根拠がある。一方、40歳代については死亡率減少効果を示す、相応の根拠がある」としています。
欧米では、マンモグラフィによる乳がん検診の受診率が高く、その効果も現れてきています。たとえば、アメリカでは過去2年以内にマンモグラフィ検査を受診した50歳以上の女性は60%以上にのぼります。そして、1990年以降、乳がんの発症率に変化はありませんが、死亡率は年1%の割合で減り続けています。
厚生労働省の指針では2年に1回の検診を原則とするとされています。乳がん死亡率が増加している日本では、今後、マンモグラフィによる乳がん検診をさらに広めていく取り組みが必要です。


乳癌診療Tips&Traps No.10(2003年11月発行)Question2を再編集しています。

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