
マンモグラフィによる被曝が心配。どのくらい危険なのでしょうか?
1度に受ける量は、日常的に浴びている自然放射線量よりも
ごく微量。まず心配はありません。
■角田博子先生(聖路加国際病院放射線科医長)
放射線被曝を受けた場合、ある値を超えて被曝した場合に必ず人体に何らかの影響がおよぼされる「確定的影響」と、可能性は極めて低いものの、ごく少量であっても発がんのリスクを負うことになる「確率的影響」が考えられます。
マンモグラフィで乳房が浴びる吸収線量は1〜3mGyです。米国放射線専門医会による「1方向あたり吸収線量で3mGy以下」という勧告に準じて、日本でもこれが基準となっています。最近の撮影技術レベルでは、ほとんどの場合1〜2mGy以下で撮影が可能です。これを実効線量で示すと、0.05〜0.15mSvの被曝があるといわれています。
ところで、私たちは日頃から、宇宙線や大地、体内の放射能などから、それと気づかぬうちに年間約2.40mSvの自然放射線を浴びています。東京からサンフランシスコまで飛行機で移動する間には0.038mSvもの自然放射線による被曝を受けるというデータもあります。こうした自然放射線量は、地域によってもかなり差があることもわかっています。
こうしたことを考えれば、マンモグラフィによる被曝量では、確定的影響はけっして生じないといえます。もちろんリスクはゼロではありませんから、むやみに撮影していいということにはなりませんが、不必要に心配する必要もありません。