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検査について
Q

乳がん細胞の「顔つき」を調べることで、どのようなことがわかるのでしょうか?


特に、腋窩リンパ節に転移していない乳がんの術後療法の選択や、今後の見通しの判定に重要です。


■津田均先生(防衛医科大学校病態病理学講座助教授)
  「がんの顔つき」とは病理学的悪性度(グレード)のことをいいます。乳がんの手術後、病理医ががんの原発病巣の組織切片を顕微鏡で観察して、悪性度を判断します(グレード分類)。この分類は、おもに浸潤性乳がんに用いられ、組織の構造や核の「異型度」と「核分裂像」から、その良し悪しを見極めます。
 「異型度」とは、正常な細胞や組織との違いの程度です。たとえば、核の形や大きさが均一であれば正常な細胞に近く、形や大きさが不ぞろいであるほど異常な細胞とみなされます。また「核分裂像」が多くみられるほど、がん細胞が盛んに増殖していると考えられます。グレードの分類には、3つの要素(構造異型度、核異型度、核分裂像)によって判定する「組織学的グレード分類」と、2つの要素(核異型度、核分裂像)によって判定する「核グレード分類」があります。
 国立がんセンター中央病院の研究によると、腋窩リンパ節への転移がない乳がん270例の5年健存率(術後無再発生存率)は、核グレード1が約98%、核グレード2が97%、核グレード3が81%で、核グレードが上るほど再発する率が高くなっています。核グレード2以上の乳がんは、術後ある程度遅くなってから再発することが比較的多いことも知られています。
 また、腋窩リンパ節への転移が認められない乳がんで、腫瘍浸潤径が2cmより大、病理学的悪性度がグレード2ないし3、患者年齢35歳未満、リンパ管・血管侵襲陽性、HER-2タンパク過剰発現陽性の5つの条件のいずれかにあてはまる場合は、術後化学療法が考慮されます。
 がんの顔つきは、腋窩リンパ節へ転移がない乳がんの再発の可能性を予測したり、術後療法を検討したりするのに重要です。



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