
乳房の再建手術は誰でも受けられますか?費用はどのくらいですか?
手術した場合に問題がなければ、誰でも受けられます。
■酒井成身先生(国際医療福祉大学附属三田病院形成外科教授)
乳房再建は、局所再発がなく全身状態さえよければ、基本的には誰でも受けられます。乳房を全切除した場合でも、乳がんを切除した部位の皮下組織が残っていれば人工乳房を挿入することができますし、広背筋皮弁や腹直筋皮弁など自分の体の組織を移植して再建することもできます。ただし、皮下組織が薄かったり、傷の瘢痕が強い場合には、人工乳房は使えません。また、術後に放射線療法を行った場合、組織が硬くなるなどの理由で、乳房再建はむずかしくなります。
乳房再建術を受けた患者さんへのアンケートでは、「衣服の不自由がなくなった」「とにかく乳房ができたのが嬉しい」「乳がんを忘れているときがある」「気持ちが明るく積極的になった」「自分の体を見るのがつらくなくなった」「旅行や温泉、公衆浴場へ行けるようになった」「日常生活の不便がなくなった」「スポーツや水泳ができるようになった」などのメリットが挙げられています。
乳房再建術にかかる費用は、再建方法や、再建するタイミングによって異なります。広背筋皮弁や腹直筋皮弁など自分の体の組織を用いる場合は、どのタイミングで再建を行っても健康保険が利用できます。ティッシュ・エクスパンダー(乳房と同じような柔らかい水風船のような袋)を利用して皮膚組織を伸ばす場合は、乳房切除術から一連の治療として行う場合のみ健康保険の対象となります。しかし、その後の人工乳房の挿入は美容的な豊胸術とみなされるので、健康保険は使えません。この場合、片側で50〜100万円ぐらいかかるのが普通です。

写真提供 酒井成身教授