
乳がんは骨に転移しますか?
乳がんは骨転移の頻度が高いがんです。
■田部井敏夫先生(埼玉県立がんセンター副院長)
悪性腫瘍のなかでは、多発性骨髄腫、乳がん、前立腺がん、肺の腺がんなどは、骨に転移する頻度が高いがんです。特に乳がんでは、リンパ節、肺と並んで、骨は転移しやすい部位といえます。
骨への転移は、痛み、骨折、脊髄圧迫による神経麻痺、高カルシウム血症などを引き起こします。なかでも骨転移による痛みは長く続いて生活の質(QOL)を低下させるので、早期の診断と適切な治療が必要です。
骨転移の診断には、単純X線、骨シンチグラフィ、CT、MRIなどが用いられますが、最近ではPETも利用されるようになってきました。
単純X線は、骨シンチグラフィに比べると転移の判定が遅れますが、治療効果の判定には有用な情報が得られます。骨シンチグラフィは、一度で全身の骨を調べることができるのが特徴です。CTは、MRIの普及で骨転移の検査に用いられることは少なくなりましたが、呼吸のために動きが大きい肋骨の検査に使われます。MRIは、骨髄に転移したがん細胞のようすを知るのに大変役立つ検査法です。骨シンチグラフィで異変が疑われるものの、単純X線撮影で異常がない場合にはMRI検査が必要です。また、PETは、有用性の高いことが次第に明らかになってきている方法です。
これら複数の検査法を組み合わせることで、より正確な診断ができます。