転移と再発について
Q

がんが脳に転移したときには、どのような治療法がありますか?


放射線療法が治療の中心になります。


■光森通英先生(京都大学大学院医学研究科放射線医学講座腫瘍放射線科学領域講師)
  一般に、抗がん剤は血液脳関門を通過しないために、がんが脳に転移した場合は、手術か放射線療法が考慮されますが、現実的には一部の単発転移以外はほとんどが放射線療法で治療されています。
脳転移に対する放射線療法には「全脳照射」と「ラジオサージャリー」があります。(「ガンマナイフ」はラジオサージャリーの一種です。)全脳照射は、文字通り脳全体に対して放射線を照射するもの。ラジオサージャリーは、がんが転移している部位に限局して多方向からペンシル状の細い放射線ビームを集中照射する方法で、脱毛がない、正常の脳に対する被曝が少ないなどの利点がありますが、転移の個数が多い場合は、一見正常に見える脳にも微小な転移が隠れている場合があるので、あまりおすすめできません。
どちらの照射方法を選ぶかは、おもに脳に転移したがんの個数と腫瘍の大きさによって決まります。 一般に腫瘍が4個以上の場合や、腫瘍の数が3個以下でも一個の大きさが3.5cmを超える場合は全脳照射を行います。
ラジオサージャリーについては、3個以下で3.5cm以下のものに行われることが多いですが、ガンマナイフを用いた場合では、照射に必要な時間が短いことから個数の制限はゆるいようです。


乳癌診療Tips&Traps No.12(2004年8月発行)Question3を再編集しています。

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