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薬物療法について
Q

術後にホルモン補充療法を受けることはできますか?


ほかの治療法を優先し、効果が得られない場合にはホルモン補充療法も考慮します。


■園尾博司先生(川崎医科大学乳腺甲状腺外科教授)
  ホルモン補充療法(hormone replacement therapy;HRT)は、閉経後などのエストロゲン欠乏によって起きる症状をやわらげるために、エストロゲンを補充する治療法です。
  わが国の乳がんの患者さんの半数以上は閉経後の人で、閉経前の人であっても術後の化学療法によって60〜75%の人が閉経となります。つまり、乳がん患者さんの多くが術後にエストロゲン欠乏状態となり、ほてり、発汗、不眠、うつなどの更年期症状が現れる場合もあるのです。
  エストロゲンは乳がんを悪化させる因子の1つであり、病状の悪化を招く危険性が考えられることから、これまでは乳がん患者にHRTを行うことはありませんでした。
 ところが、最近では、さまざまな研究報告から、HRTを受けている場合でも乳がんの再発率に差は認められず、悪影響を及ぼさないと考えられるようになってきています。とはいえ、この集計には術後60カ月を過ぎてからHRTを受けた人も含まれているので、HRTについてはなお慎重に扱ったほうがよいともされています。
 そこで、エストロゲン欠乏症状の緩和には、まずHRT以外の治療法を検討します。骨粗鬆症にはビスホスホネート製剤、高脂血症にはHMG-CoA還元酵素剤などが、HRTの代わりに用いられます。ほてり、発汗などの更年期症状には、自律神経失調治療薬や漢方薬を用いますが、これらが効かない場合には短期間のHRTを行うことになります。



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