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薬物療法について
Q

ホルモン療法と骨粗鬆症との関係について教えてください。


抗エストロゲン薬にはありませんが、アロマターゼ阻害薬には骨量を低下させる作用があります。でも、それを防ぐ方法もあります。


■丹治芳郎先生(大阪大学大学院医学系研究科乳腺・内分泌外科)
  ホルモンレセプター陽性の閉経後乳がん患者さんのホルモン療法には、抗エストロゲン薬のタモキシフェンかアロマターゼ阻害薬(AI)が用いられます。
 これまでホルモン療法の標準薬として広く使用されてきたタモキシフェンは、骨に対しては保護的に働いて、骨量を増加させます。しかし、AIはエストロゲンの合成を阻害し、血中のエストロゲン量を強力に抑制するので、副作用として骨代謝への影響が考えられます。
 実際に、AIの骨代謝への影響を検討したいくつかの研究報告では、骨密度の低下や骨折頻度の増加傾向など、骨に対するマイナスの働きが認められています。ただし、その一方で、子宮内膜がんや血栓塞栓症の発生などの副作用に関しては、タモキシフェンよりも発生頻度が少なく、再発抑制について高い有効性が示されており、今後の乳がん治療にとってAIは不可欠なものだと考えられています。
 ただし、AIを長期間にわたって使用した場合の日本人の骨への影響については、まだ十分なデータがそろっていません。これまで行われた検討からは、おそらく白人ほどではないと予想されますが、やはりマイナスの影響はあると考えられています。そこで、AIを使用する場合は、骨量を定期的に測定し、必要に応じてビスフォスフォネートなど骨粗鬆症の治療薬を併用することが推奨されています。



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