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1/29 (Saturday) 09:30-12:30  |
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International Consensus Conference on the
Optimal Primary Treatment of Early Breast Cancer: Update 2005 |
| |
Chair: A. Goldhirsch, Switzerland/Italy
and J. Glick, USA |
|
| St. Gallenカンファレンスの最終日に開催されたコンセンサス会議では、乳癌診療の専門家の意見をもとに「どのような患者に」「どのような治療を行なうか」に関する国際的合意を確認した。「どのような患者に」という部分は、様々な予後因子に基づく再発のリスクと、内分泌療法反応性、すなわち内分泌療法の効果予測因子に基づいて、患者を数通りのリスクカテゴリーに分類するものである。また、「どのような治療を行なうか」という部分は、各リスクグループで、内分泌療法剤、化学療法剤をどのように使いあわせるか、または使い分けるかを討議するものである。大きな変更がなかった前回に比べ、今回の会議では、リスクカテゴリー、治療選択、ともに大幅な変更が加えられた。 |
| St. Gallen Consensusの適応と限界 |
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必ずしも高いレベルのエビデンスに基づいているわけではない |
| |
すべての領域、項目について、高いレベルのエビデンスがあるのならば、このような合意形成会議の必要はないかもしれない。まだ、エビデンスが得られていない問題、あるいは、臨床試験を実施してエビデンスを構築することが難しい問題に関しては、「専門家の意見」をもとに、ある程度の診療指針を提示する必要があるだろう。そういった意味で、このカンファレンスのコンセンサスは、一般臨床を考える上での指針にはなっているが、絶対的遵守事項ではない。 |
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限られた時間での不十分な討論 |
| |
壇上には、2名の司会者と、世界の臨床試験研究グループを代表する形で約30名のパネリストがオピニオンリーダーとして上がった。司会者から提示される、あらかじめ準備された質問に対して、アンサーパッドを用いたYes/No/棄権の回答が集計され、Yesと答えたパネリストが多ければ、その内容が、コンセンサスとして盛り込まれるという方式で会議が進められた(設問内容と回答率はDiscussionの項を参照)。アンサーパッドを導入したのは今回が初めてであるが、あらかじめ準備された質問とはいえ、質問の真意がわかりにくいもの、司会者がパネリストに質問を作りかえてもらったもの、同じ内容の質問をわずかにニュアンスを変えたらまったくYes率が変ってしまったもの、などがあり、質問自体の信頼性にも、やや疑問を感じざるを得ない。また、時間の制約から議論も中途半端に終わってしまい、一部のパネリストと司会者の間だけでの合意のような形で終わってしまった問題もあった。 |
 |
6月のJCOでの公表まで続くパネリスト間での議論 |
| |
以上のような状況で議論が進められたため、コンセンサス会議の最終的な報告として、6月頃に予定されているJournal
of Clinical Oncology誌上での公表までは、パネリスト、司会者の間では、まだまだ、ディベートが続くことになっている。したがって、今回、このサイトに表示する内容、とくに、リスクカテゴリーと治療選択の表は、最終形とはやや異なる可能性がある。 |
 |
尊重したいState of the Artsの考え方 |
| |
この会議の合意内容は、1つの羅針盤のようなものである。つまり、乳癌の初期治療を可能な限り、合理的に実践するために、各読者が役立てればいいのであって、合意内容には、絶対的な拘束力などありようはずはない。ただ、この合意内容と大幅に異なる治療を実践するとなると、その際には、それなりの強い根拠が求められるだろう。臨床医学は、臨床経験と臨床試験結果に基づいて、日々進歩をとげている。この進歩の過程において、現状ではこれが標準、来年にはまた新たな標準が生まれる、というのが、State
of the Artsの考え方である。この考え方を尊重すれば、2005年における乳癌治療のコンセンサスとしての不完全さ、不合理さ、また、非科学性についても了解可能である。このカンファレンスに「すべての人が満足するような完全な回答」を求めるのではない。
このような、限界を認識すれば、St. Gallen Consensusは、必ずしも金科玉条(最も大切にして守らなければならない重要な法律または規則)というものではなく、むしろ、乳癌診療に関する思考体系を整理するための指針としての位置づけがふさわしいと思う。 |
| 今回提示されたリスクカテゴリーは、内分泌療法を軸とした個別化治療を念頭におき、内分泌反応性を重視した改訂となっている(表1)。この考え方は、1995年の第5回以来、変っていないが、今回、それがさらに明確に打ち出されたと言える(表2)。主な改訂点は下記の通りである。 |
| 1. |
腋窩リンパ節転移陰性、陽性を包括しリスクをlow、intermediate、highの3つのカテゴリーに分類した。 |
| 2. |
low riskとintermediate riskの区別には、従来の病理学的腫瘍浸潤径、内分泌受容体、年齢、グレードに加え、広汎な脈管浸潤(extensive
vascular invasion)の有無、HER2過剰発現/遺伝子増幅の有無の2項目が加えられた。 |
| 3. |
上記2.で規定される症例に加え、内分泌受容体陽性で、腫瘍径1cm以下の症例ならば、グレード、年令など、他の因子に関係なく、low
riskに分類される。 |
| 4. |
intermediate riskには、腋窩リンパ節転移1-3個陽性で、広汎な脈管浸潤およびHER2過剰発現/遺伝子増幅のない症例が含まれる。 |
| 5. |
high riskには腋窩リンパ節転移4個以上陽性の症例と、腋窩リンパ節転移1-3個陽性で、広汎な脈管浸潤およびHER2過剰発現/遺伝子増幅のある症例が含まれる。 |
| 表1 |
St. Gallen 2005 Risk Categories |
| risk category |
endocrine responsive |
endocrine non-responsive |
| low risk |
node negative, ER and/or PR expressed,
pathological tumor size<1cm, regardless of other features ---
OR ---
node negative,
ER and/or PR expressed
and all of the following features:
| |
pT≦2cm, and
grade 1, and
Age≧35 years
extensive vascular invation (-)
HER2/neu overexpression/amplification (-) |
|
not applicable* |
| intermediate risk |
node negative,
ER and/or PR expressed
and at least one of the following features:
| |
pT>2cm
Grade 2-3
Age<35 years
extensive vascular invasion (+)
HER2/neu overexpression/amplification (+) |
--- OR ---
1-3 positive nodes,
ER and/or PR expressed
and all of the following features:
| |
extensive vascular invation (-)
HER2/neu overexpression/amplification (-) |
|
ER and PR absent
and same other features as in the left |
| high risk |
4 or more positive nodes
ER and/or PR expressed --- OR ---
any number of positive lymph nodes,
ER and/or PR expressed
and at least one of the following features;
| |
extensive vascular invasion (+)
HER2/neu overexpression/amplification (+) |
|
ER and PR absent
and same other features as in the left |
| 表2 【参考】 |
St. Gallen 2003 Risk Categories
(for Patients with Node-Negative Breast Cancer) |
| risk category |
endocrine-responsive disease |
endocrine-nonresponsive
disease |
| minimal risk |
ER and/or PgR expressed, and all
of the following features:
| |
pT≦2cm, and
grade 1, and
age≧35 years |
|
not applicable |
| average risk |
ER and/or PgR expressed, and at least one
of the following features:
| |
pT>2cm, or
grade 2-3, or
age<35 years |
|
ER and PgR absent |
| (Goldhirsch A et al: JCO
2003) |
| (1) |
内分泌反応性「不確実」カテゴリーの意味 |
| |
リスクカテゴリーの項でも触れたように、内分泌反応性を重視した個別化治療が念頭に置かれている。2003年までは、内分泌反応性「あり」「なし」の2分類であったのが、今回は「不明・不確実」が加わって3つの分類で治療方針が提唱された。これは、Q6「内分泌反応性が不明あるいは不確実と思われる症例が存在するか」の質問に対して、大部分のパネリストがYESと答えたことに基づく。本来、内分泌反応性の程度は、全くなし(absent)から、強陽性(すべての細胞に、強く発現している)まで、連続的に分布するものであるが、今回の分類では、内分泌反応性を「あり」、「不明・不確実」、「なし」の3カテゴリーにわけ、連続的分布を意識した対応を取ったと考えられる。これをうけ、具体的には、免疫組織化学法による内分泌受容体判定法としては、Allredらが提唱しているような、連続的段階判定方法が今後、主流になると考えられる。
治療割付の討議に移ると、まず、表3「Chart for treatment choice
2005」がスライドに映された。low, intermediate, highの3つのリスクカテゴリーと、内分泌反応性に着目した3段階で構成される8個のセルに基本的に適応される治療法として、ET(Endocrine
therapy:内分泌療法), CT(Chemotherapy:化学療法)、あるいは、CT→ET(化学療法終了後内分泌療法)が記載されており、今回の改訂の基本理念を理解する上で役に立つ。 |
| (2) |
アロマターゼ阻害剤とタキサン系薬剤の位置づけ |
| |
今回のコンセンサス会議では、アロマターゼ阻害剤(AI)がどのような位置づけになるか、あるいは、抗がん剤では、タキサン系薬剤がどのように組み込まれるかが注目されていた。アロマターゼ阻害剤は、初期治療における内分泌療法として、必ず使用すべき薬剤であるとの位置づけは、ASCO
Technology Assessment 2004年改訂版と同様である。閉経後では、TAMに取って代わる治療として完全に位置づけが定まったと言える。今回の改訂で、AIは、さらに閉経前症例においても、TAMが使用できない場合、との限定条件付きながら、GnRH
(gonadotropin releasing hormone)agonisitとの併用での使用が推奨されている。
タキサン系薬剤に関しては、n0乳癌の補助療法における使用に対しては、パネリスト全員が反対の意見を示したが、腋窩リンパ節転移陽性症例であるintermediateからhigh
risk症例では、半数のパネリストが使用すると答えている。これは、初日のセッション1でMartine Piccartが示した「もし効果の増強を期待して、化学療法を計画するのならばタキサンを加える(If
you want to tailor chemotherapy for efficacy, add taxanes)」という発言に共通する考え方である。タキサン系薬剤の使用に関しては、効果とハーム(副作用など)とのバランスを患者ともよく相談することの重要性があらためて強調されている。 |
| 表3 |
Chart for treatment choice 2005 |
| risk category |
endocrine responsive |
uncertain endocrine
responsiveness |
endocrine
non-responsive |
| lower risk |
ET |
ET |
|
| intermediate risk |
ET alone, or |
|
CT |
| |
CT→ET
(CT+ET) |
CT→ET
(CT+ET) |
|
| higher risk |
CT→ET
(CT+ET) |
CT→ET
(CT+ET) |
CT |
| 表4 |
St. Gallen 2005 Recommendations |
| risk group |
treatment according to responsiveness
to endocrine therapy |
| |
endocrine responsive |
endocrine responsive
with doubt |
endocrine
non-
responsive |
| |
pre
menopausal |
post
menopausal |
pre
menopausal |
post
menopausal |
|
| low risk |
TAM or none |
TAM, AI or none |
TAM or none |
TAM, AI or none |
|
intermediate
risk |
TAM±OFS, or
OFS, or
CT#→TAM±OFS
※CT#→AI+OFS |
TAM, or
AI, or
CT#→TAM, or
CT#→AI |
CT#→TAM(±OFS),
or
CT# alone
※CT#→AI+OFS |
CT#→TAM,
or
CT#→AI |
CT# |
| high risk |
CT →TAM±OFS
※CT →AI+OFS |
CT#→TAM,
or
CT#→AI* |
CT →TAM±OFS
※CT →AI+OFS |
CT →TAM,
or
CT →AI* |
CT |
TAM:タモキシフェン AI:アロマターゼ阻害剤 OFS:卵巣機能抑制 CT:化学療法
#:AC, CEF or CAF±taxane :AC,
CEF or CAF+taxane
*:EXE or ANA after 2-3 years TAM/LET after 5 years TAM
※:TAM不適症例に適用 |
|
| 表5 【参考】 |
St. Gallen 2003 Recommendations |
| Risk Group |
Treatment According to Responsiveness
to Endocrine Therapies* |
| Endocrine-Responsive |
Endocrine-Nonresponsive |
pre
menopausal |
post
menopausal |
pre
menopausal |
post
menopausal |
node-negative disease,
minimal risk |
TAM or none |
TAM or none |
not applicable |
not applicable |
node-negative disease,
average risk |
GnRH analog (or OA) +TAM [±CT], or
CT→TAM [±GnRH analog (or OA)], or
TAM, or
GnRH analog (or OA) |
TAM
or
CT →TAM |
CT |
CT |
| node-positive disease |
CT→ TAM [±GnRH analog (or OA)], or
GnRH analog (or OA)+ TAM [±CT], |
CT → TAM
or
TAM |
CT |
CT |
| (Goldhirsch A et al: JCO
2003) |
実際の会議では、リスクカテゴリーおよび治療選択の提示、検討提示に先立ち、アンサーパッドを用いた討議が行われた。司会のDr
John Glickによって提示された各設問や問題点に関して、各パネリストが手元のスイッチで回答し、これがすぐさま会場のスクリーンで聴衆に提示される形で進行した。従来のコンセンサス会議は、討論はあっても結論がわかりにくいという欠点があったが、今回は、30名のパネリストによる意見の集計がすぐに示されることにより、文字通りコンセンサスかそうでないかの確認ができる点で、より合理的な会議になったと評価できる。
こうした過程において得られた設問と回答、および主なディスカッションコメントを以下にまとめる。
会議では、まず治療効果をいかに向上させるかについての討論から開始され、内分泌反応性に関するパネリストの考えを募った。 |
| Q1. |
治療選択は原則として内分泌反応性の程度に基づいて行うことに同意するか。 |
YES |
NO |
棄権 |
| 96.4% |
3.6% |
0.0% |
| つまり2005年の本会議では、多くの臨床試験の結果を受け、化学療法(CT)、内分泌療法(ET)をどのように行うかについては、内分泌反応性の程度に基づいて行うべきであることが示された。 |
| Q2. |
明らかな内分泌反応性ありの症例が存在すると考えるか? |
YES |
NO |
棄権 |
| 89.7% |
10.3% |
0.0% |
| Q3. |
明らかな内分泌非反応性の症例が存在すると考えるか? |
YES |
NO |
棄権 |
| 100% |
0.0% |
0.0% |
| Q4. |
内分泌反応性を何に基づいて判断するか? |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
ER |
100% |
0.0% |
0.0% |
| ・ |
PR |
79.3% |
6.9% |
13.8% |
| ・ |
Level of positive ER
or PR |
100% |
0.0% |
0.0% |
| ・ |
HER2/neu |
53.6% |
25.0% |
21.4% |
| Q5. |
他のどのような因子が内分泌反応性に影響を及ぼすか? |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
リンパ節転移の有無 |
21.4% |
78.6% |
0.0% |
| ・ |
grade or Ki67 |
32.1% |
60.7% |
7.1% |
| ・ |
年齢 |
10.3% |
79.3% |
10.3% |
| Q6. |
内分泌反応性の程度が不明、あるいは不確実な状態が存在すると考えるか? |
YES |
NO |
棄権 |
| 96.4% |
3.6% |
0.0% |
| ここで、2004年12月に報告されたThe Oncotype
DX assay を用いた検討(Paik et al. NEJM, 2004)について討議が行われた。この報告では、TAMで治療された患者(N-)において、予後およびTAMに対する反応性をとらえることができるとし、加えて、recurrence
scoreから化学療法のベネフィットの大きさについても以下のように予測できると述べられている。 |
| ● |
recurrence score が低い患者では、化学療法によるベネフィットはあったとしても最低限である。 |
| ● |
recurrence score が高い腫瘍を有する患者は、化学療法によって大きな絶対的ベネフィットを得ることができる。 |
| このThe Oncotype DX assayを、内分泌反応性の患者治療に取り入れるべきか、もしそうだとすればどういった患者群を対象とすべきか、ということで以下の設問が取り入れられた。 |
| Q7. |
臨床試験の枠外で、The
Oncotype DX assayを行うべきか(コストを度外視して) |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
早期ステージのすべての患者に対して適用 |
3.4% |
86.2% |
10.3% |
| ・ |
すべてのN- ER+患者に対して適用 |
3.4% |
93.1% |
3.4% |
| ・ |
この測定は科学的に課題があると考えるか? |
75.9% |
13.8% |
10.3% |
| ・ |
一部の(selected) N- ER+患者に対して適用 |
31.0% |
55.2% |
13.8% |
| ・ |
一部の(selected) N+ ER+患者に対して適用 |
3.4% |
93.1% |
3.4% |
| 以上の結果から、現時点ではThe Oncotype DX assayについて、パネリストは明らかに、使用を推奨するだけのエビデンスはないとの立場をとった。 |
| つづいて、内分泌反応性・非反応性乳癌に対する治療方針に関する討議が行われた。 |
| Q8. |
閉経前の内分泌反応性の患者に対して |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
すべての患者(大多数)に卵巣機能抑制
(OFS) を適用する |
22.2% |
70.4% |
7.4% |
| ・ |
N-の若年(<35歳)の患者の大多数にOFSを適用する |
51.7% |
34.5% |
13.8% |
| ・ |
N+の若年の患者の大多数にOFSを適用する |
79.3% |
10.3% |
10.3% |
| ・ |
N-で、化学療法(CT)なしの患者にタモキシフェン(TAM)を適用すべきか? |
85.7% |
3.6% |
10.7% |
| ・ |
N-で、CTありの患者にTAMを適用すべきか? |
100% |
0.0% |
0.0% |
| ・ |
N+で、CTなしの患者にTAMを適用すべきか? |
93.1% |
6.9% |
0.0% |
| ・ |
N+で、CTありの患者にTAMを適用すべきか? |
96.2% |
0.0% |
3.8% |
| ・ |
N-、CTなしの患者の多くにTAM+OFSを適用すべきか? |
37.9% |
55.2% |
6.9% |
| |
| ※ |
TAM+OFSが標準的に用いられるかどうかを協議した後に再票決。 |
|
| ・ |
CTありの大多数の患者(何歳でもよいが、CT後も月経のある患者)にTAM+OFSを適用すべきか? |
34.6% |
53.8% |
11.5% |
| |
| ※ |
この結果は、SOFT trial を支持するものといえる。 |
|
| ・ |
CTなしでTAM投与予定の患者に対して、OFSも行うべきだと考えるか? |
50.0% |
25.0% |
25.0% |
| ・ |
CTありでTAM投与予定のN-の患者に対してOFSを行うか? |
25.0% |
57.1% |
17.9% |
| ・ |
CTありでTAM投与予定のN+の患者に対してOFSを行うか? |
37.9% |
51.7% |
10.3% |
| TAMの有用性に関しては明らかなコンセンサスが得られたが、卵巣機能抑制に関しての現時点での明確なコンセンサスは得られていない。SOFT
trialの結果が待たれる、とまとめられた。 |
| Q9. |
閉経前、内分泌反応性の患者に対して |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
TAM禁忌の場合、アロマターゼ阻害薬(AI)+
OFS を適用する |
62.1% |
27.6% |
10.3% |
| |
| ※ |
1人のパネリストから、ここにAIを加えたことが票決の解釈をあいまいにする原因と意見があった。そのため以下の2つの設問が設定された。 |
|
| ・ |
TAM禁忌のN-患者には、OFSのみを行う |
75.9% |
24.1% |
0.0% |
| ・ |
TAM禁忌のN-患者にOFSを行う場合、AIの併用を勧める |
39.3% |
50.0% |
10.7% |
| ・ |
TAM禁忌のN+患者には、OFSのみを行う |
77.8% |
14.8% |
7.4% |
| ・ |
TAM禁忌のN+患者にOFSを行う場合、AIの併用を勧める |
55.6% |
33.3% |
11.1% |
| ・ |
N+で何らかの内分泌療法を受ける場合、多くの患者にCTを行うか? |
77.8% |
22.2% |
0.0% |
| Q10. |
閉経前、内分泌反応性の患者について |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
OFSを行う場合、大多数の患者に永続的なOFSを適用する |
25.0% |
64.3% |
10.7% |
| ・ |
薬剤によるOFSを行う場合、大多数の患者に2〜3年間適用する |
57.1% |
21.4% |
21.4% |
| ・ |
薬剤によるOFSを行う場合、大多数の患者に5年間適用する |
28.6% |
64.3% |
7.1% |
| |
| ※ |
一人のパネリストがこの問題についての解答は不明だと考えると発言し、さらにOFSに関しては、年齢にも依存するのではないかとされた。結局、その答えは不明であるため臨床試験を行うべきとされた。 |
|
| Q11. |
閉経後、内分泌反応性の患者におけるアロマターゼ阻害剤の使用 |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
いずれかの時点で大多数の患者に適用すべき |
78.6% |
10.7% |
10.7% |
| ・ |
最初から大多数の患者に勧める |
38.5% |
57.7% |
3.8% |
| ・ |
TAM投与2〜3年の時点で高リスク患者でのみAIに変更する |
72.4% |
20.7% |
6.9% |
| ・ |
リスクにかかわらず、TAM投与5年後にAIに変更する |
46.4% |
50.0% |
3.6% |
| ・ |
高リスク患者のみTAM投与5年後にAIに変更する |
93.1% |
6.9% |
0.0% |
| Q12. |
. 閉経後、内分泌反応性の患者におけるアロマターゼ阻害剤の使用 |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
大多数の患者に対してCTと同時(concurrent)投与 |
0.0% |
72.4% |
27.6% |
| ・ |
大多数の患者に対してCTの後に逐次(sequential)投与 |
89.3% |
3.6% |
7.1% |
| ・ |
AIの投与期間:
タモキシフェンを投与せず5年間適用 |
48.3% |
17.2% |
34.5% |
| |
| ※ |
効果や長期副作用などについては、2〜3年のうちにより多くの情報が得られるだろうと、パネリスト多くが意見を述べた |
|
| Q13. |
閉経後、内分泌反応性の患者に対する治療選択 |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
ER+/PR+の患者に対しては、AIではなくTAMを第一選択とする |
65.5% |
27.6% |
6.9% |
| ・ |
ER+/PR-の患者に対しては、AIではなくTAMを第一選択とする |
13.8% |
72.4% |
13.8% |
| ・ |
HER2陽性の患者において、AIではなくTAMを選択する |
10.3%
|
69.0% |
20.7% |
| Q14. |
閉経前or後、内分泌非反応性の患者に対するCTの適用 |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
ほぼ例外なくCTを適用 |
92.9% |
3.6% |
3.6% |
| ・ |
N-の患者に対するCTにタキサンを組み込む |
0.0% |
93.1% |
6.9% |
| ・ |
N+の患者に対するCTにタキサンを組み込む |
44.8% |
41.4% |
13.8% |
| |
※この結果に聴衆は息をのんだ! |
| ・ |
Dose dense
therapyを適用する(一般論として) |
6.9% |
86.2% |
6.9% |
| ・ |
G-CSFを用いて積極的に減量しないようにする(一般論として) |
48.3% |
37.9% |
13.8% |
| |
注)日本と欧米とでは、G-CSF製剤についての違いがある。 |
| Q15. |
閉経前or後、内分泌非反応性の患者に対するCTの適用 |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
N-の患者に対してアンスラサイクリンレジメン4コース |
41.4% |
41.4% |
17.2% |
| ・ |
N-の患者に対してアンスラサイクリンレジメン6コース |
48.3% |
37.9% |
13.8% |
| ・ |
N+の患者に対して8コース(6カ月)のCT(AC→タキサン) |
58.6% |
27.6% |
13.8% |
| ・ |
N+の患者に対して術後4週間以内に治療を開始する |
62.1% |
27.6% |
10.3% |
| Q16. |
閉経前or後、内分泌反応性の患者に対するCTの適用 |
YES |
NO |
棄権 |
| |
内分泌療法に加えて |
| ・ |
N-の患者に対してAC または類似レジメンを4コース適用 |
60.7% |
35.7% |
3.6% |
| ・ |
N+の患者に対して年齢にかかわらずAC
または類似レジメンを4コース適用 |
39.1% |
34.8% |
26.1% |
| |
| ※ |
“年齢にかかわらず”の項目が加えられた後の票決。加えられる前の数値は、YES:
37.0%、NO: 51.9%、棄権: 11.1%。 |
|
| ・ |
N+の患者に対するCTは4コースのみとする |
41.7% |
45.8% |
12.5% |
| ・ |
N+の患者に対して6コースのCTを勧める |
57.7% |
30.8% |
11.5% |
| ・ |
N+の患者に対するCTにタキサンを組み込む |
25.0% |
64.3% |
10.7% |
| ・ |
閉経後の患者に、4コース以上のアンスラサイクリンレジメンを選択 |
48.3% |
34.5% |
17.2% |
| Q17. |
閉経前or後、内分泌反応性の患者に対する治療選択 |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
内分泌療法はタキサンの後、逐次(sequential)投与 |
92.9% |
7.1% |
0.0% |
| ・ |
OFSはCTと同時(concurrent)に行う |
17.9% |
46.4% |
35.7% |
| ・ |
AIはCTと同時(concurrent)投与 |
3.4% |
65.5% |
31.0% |
| 以上の討議の後、パネリストらはSt. Gallen 2003 risk
categoryの改訂に取り組んだ。 |
| Q18. |
ST. Gallen
2003に改訂を加えるべき項目 |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
リンパ節転移は重要な予後因子か? |
88.9% |
11.1% |
0.0% |
| ・ |
センチネルリンパ節転移陽性を腋窩リンパ節転移陽性とみなすか?
|
92.9% |
0.0% |
7.1% |
| ・ |
N+ (1-3個) は独立した予後カテゴリーとするか? |
55.6% |
33.3% |
11.1% |
| Q19. |
ST. Gallen
2003に改訂を加えるべき項目 |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
どのリンパ節であるかにかかわらず、微小転移(micrometastases)がある場合(IHCでの検出あるいは標準的な基準<0.2mm)
、これをN+とするか? |
42.9% |
39.3% |
17.9% |
| ・ |
SLNがIHC+、HE-の場合、N+として治療を行うか? |
17.2% |
65.5% |
17.2% |
| ・ |
SLNにひとつの腫瘍細胞(isolated
tumour cell)が発見された場合、N+として治療を行うか? |
3.4% |
82.8% |
13.8% |
| Q20. |
ST. Gallen
2003に改訂を加えるべき項目 |
YES |
NO |
棄権 |
| |
以下の項目はリスクカテゴリー分類として妥当か? |
| ・ |
N-患者の腫瘍サイズが2cm以上と未満 |
82.1% |
14.3% |
3.6% |
| ・ |
N-患者ではgrade 2-3と1で分類する |
75.9% |
13.8% |
10.3% |
| ・ |
高リスクはgrade 3の腫瘍に限るべき |
72.4% |
17.2% |
10.3% |
| ・ |
Ki67 (サロゲートマーカーとして)>20
vs <20 |
48.3% |
31.0% |
20.7% |
| ・ |
N-の患者における脈管浸潤 |
70.4% |
14.8% |
14.8% |
| ・ |
N+ の患者における脈管浸潤は高リスクに組み込む |
32.0% |
52.0% |
16.0% |
| Q21. |
ST. Gallen
2003に改訂を加えるべき項目 |
YES |
NO |
棄権 |
| |
年齢について、 N-の患者において以下の項目を高リスクの基準とするか? |
| ・ |
年齢 (35歳以上、35歳未満) |
88.9% |
11.1% |
0.0% |
| ・ |
多中心性疾患(multicentric
disease) |
24.1% |
62.1% |
13.8% |
| Q22. |
ST. Gallen
2003に改訂を加えるべき項目 |
YES |
NO |
棄権 |
| |
以下の項目によって高リスクに分類されるか? |
| ・ |
c-erbB2過剰発現あるいは増幅
(N- 浸潤性乳がんにおいて) |
69.2% |
19.2% |
11.5% |
| ・ |
uPAおよび PAI-1の発現 |
25.0% |
57.1% |
17.9% |
| ・ |
N-の患者において、P53突然変異の存在は高リスクとされるか?
|
13.8% |
65.5% |
20.7% |
| リスク評価のためのツールはいくつか存在するが、なかでも有用性が認められるツールとして、
www.adjuvantonline.comが紹介された。また、予後評価の方法として、遺伝子プロファイリングも提唱されている。
しかし、両者に関する質問に対しては、下記のような回答結果であった。 |
| Q23. |
AdjuvantOnlineのリスク評価ツールを大多数の患者の予後評価に使うことを支持する。 |
YES |
NO |
棄権 |
| 48.3% |
37.9% |
13.8% |
| Q24. |
gene
profilingをthe St. Gallen risk categories toolとする |
YES |
NO |
棄権 |
| 0.0% |
96.6% |
3.4% |
| さらに、risk categoryに関する討議が続けられた。 |
| Q25. |
やはりgrade
1のみを低リスクカテゴリーとすべきか? |
YES |
NO |
棄権 |
| 67.9% |
28.6% |
3.6% |
| Q26. |
内分泌反応性の患者に対して、腫瘍サイズ≦1cmのN-の患者はグレードにかかわらずlow
riskとする |
YES |
NO |
棄権 |
64.3% |
32.1% |
3.6% |
| Q27. |
脈管浸潤およびHER2/neu陰性は、intermediate
riskに相当すると考える |
YES |
NO |
棄権 |
| 82.1% |
10.7% |
7.1% |
| Q28. |
N+1-3、あるいは内分泌反応性でHER2および脈管浸潤陰性に関して、intermediate
riskに入れるべきだと考える
| ※ |
会議のなかで提示された表は、当初“intermediate risk”ではなく“average
risk”と表記されていたが、パネリストからは“intermediate”を用いるべきとの発言があった。 |
|
YES |
NO |
棄権 |
75.0%
|
25.0%
|
0.0%
|
| Q29. |
high
riskのカテゴリーについて、リンパ節転移の個数に関わらず、HER2/neu 過剰発現のものをhigh riskに入れるべきか?
| ※ |
しかし、high risk として記載されているすべてのリスクファクターを有しているにもかかわらずリンパ節転移はない、という患者をどうするか?
これについては解決されていない。 |
|
YES |
NO |
棄権 |
67.9%
|
25.0%
|
7.1%
|
| Q30. |
HER2過剰発現/増幅の患者に対して、トラスツズマブを補助療法として行うか? |
YES |
NO |
棄権 |
| ・ |
すべての IHC 3とFISH+に適用 |
0.0% |
91.7% |
8.3% |
| ・ |
very high riskに対する標準療法とするか? |
10.7% |
89.3% |
0.0% |
| 以上が2005年のコンセンサス会議の概要である。なお、本記事は現地での取材をまとめたものであり、今回のコンセンサスの最終的なものではない。今回の会議の記録は、2005年コンセンサスとして数カ月以内にJournal
of Clinical Oncology誌に発表される予定である。 |
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