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All About 乳がん.Info

本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」
(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医に
ご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。
掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。
また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

「乳癌診療Tips&Traps」の編集に携わる8名の先生方

クリックすると各先生からのメッセージがご覧いただけます。

坂元吾偉先生

医療法人社団正診会坂元記念クリニック院長
診療とは診断と治療であり、乳癌診療では乳癌といわれた人が本当に乳癌であることが出発点となる。乳癌の診断は生検された病変が病理組織診断で乳癌と診断されることによって確定される。したがって乳腺病変の診断が間違っていると乳腺診療そのものが砂上の楼閣となる。実は乳腺の良悪性の病理診断は極めて難しく、正しい診断のためには長年の経験と研鑚が必要となる。小生は病理医となってからの40年以上を乳腺の病理診断に集中してきた。良性を間違って乳癌とされ乳癌を間違って良性とされるとその人の人生は台無しになることを心して診療すべきである。

芳賀駿介先生

前日本医科大学 乳腺外科 教授
乳がんを早く見つけることは生命だけではなく、乳房をも守ることにつながります。しかし、乳がんはさまざまな性格をもっていることから、進んだ状態で発見されても、再発したときでも、それぞれに対する効果的な治療法があります。
乳がんのことをよく知らなくて発見が遅くなったり、治療をあきらめてしまったり、納得して治療を受けられなかったりというのは、不幸なことで、これは患者さんの力で防げることです。
乳がんの正しい知識を持つことは乳がんの早期発見のみならず正しい治療を受ける第一歩なのです。

中村清吾先生

昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門教授
近年、がんのチーム医療(いわゆる専門性の高い医師、看護師、薬剤師等がお互いにコミュニケーションを取り合いつつ、1人の患者さんの治療にあたる)が求められていますが、患者さん自身にも自らの病気の知識を深めるとともに対策を積極的に進め、そのチームの一員となっていただくことが、より良い治療結果を導くことにつながると思います。本サイトがその一助となることを期待しています。

秋山太先生

がん研究会がん研究所病理部 臨床病理担当部長
乳腺の病変が乳癌なのかどうか、乳癌である場合にはその組織型は何なのか、悪性度はどうなのか、リンパ節転移はあるのか、ホルモンレセプターはどうなのか、HER2はどうなのか、という情報により治療方針が決められています。これらの情報が病理診断です。乳癌患者さんが最適な治療を受けられるように、これらーつーつの病理診断を確実に行うことが病理医の責務と考えています。

岩瀬拓士先生

がん研究会有明病院 乳腺センター乳腺外科部長
乳癌は全身病だから局所の手術はなにをしても同じと真顔でいう医者がいます。本当にそうでしょうか。外科手術だけでは確かに治療の限界がありますが、薬が良く効いて全身に散らばっている癌が制御できるようになったからこそ、火元のがんを手術でしっかり取り除くことが重要なのだと思います。手術も薬も放射線も必要な人に必要なだけ、過不足なく行えるといいですね。

武井寛幸先生

日本医科大学乳腺外科教授
乳がんの診断・治療には多くの選択肢があります。画像診断ではマンモグラフィ、超音波、MRI、CTなどがあり、治療では手術(乳房温存術か乳房切除術か)、放射線治療、ホルモン療法、化学療法、分子標的薬剤(ハーセプチンやタイケルプなど)などがあります。一方、乳がん自体も多様な性質をもっており、転移や再発のおこりやすさ、薬剤の効きやすさなどに大きな違いがあります。再発乳がんにおいても同様なことが言えます。重要なことは、ステレオタイプではなく、一人ー人の患者さんにとって最適と考えられる診断および治療方法を選択していくことだと思っています。

角田博子先生

聖路加国際病院 放射線科医長
近年さまざまな技術が発達し、乳腺の画像診断においても少し前には考えられなかった手法も臨床上有用となってきています。しかし、たくさんの方法があるからといって、すべてを施行すればよいというものではなく、適切に施行しその結果をどう考えるかが重要となっているものと思います。総合的な診断から、治療へのよりよい道筋をひけるかどうか、今後も努力したいと考えています。

山内英子先生

聖路加国際病院ブレストセンター長
乳がんと診断されて、急に目の前が閉ざされて、真っ暗闇のなかをすすんでいかなければならない様な思いでいることもあるでしょう。でも、そこにも道はあるのです。真っ暗闇の中でも、よーく見てみたら、あるいはいろいろな助けや、方法を見いだしてみたら、道がつながっているのが少しずつ見えてくると思います。たとえそれが細くて、不安定に見えていても、その先には必ず、希望があります。乳がんをご一緒に少しでも知っていただくことによって、その道を見いだし、そしてそれが希望につながっていただければと思います。必要な情報をしっかり学んだ上で、あなたの背景や何を大切にあなたが生きていきたいかなど医療者に伝え、それらをパランスよくブレンドした医療を一緒に行なっていきましょう。
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