乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
妊娠中に乳がんとわかったらどうすればよいですか?治療を続けながら出産することは可能なのでしょうか?
妊娠期によって治療が異なります。治療を続けながら出産できることもあります。
猿丸修平先生
(聖路加国際病院ブレストセンター)
かつて、妊娠中に乳がんが発症したら、ただちに出産を諦めるというのが常識でしたが、現在は妊娠期ごとの治療が行われるようになっており(図)、妊娠中も治療を続けながら、無事に出産できることもあります。
妊娠中の乳がん治療も、基本的には通常の乳がんと同様に行われますが、胎児と母胎に与える影響(胎児奇形リスクや流産など)を考慮して、ある程度の制限が余儀なくされることがあります。たとえば、妊娠初期においては化学療法が、妊娠全期においてはホルモン療法、放射線療法が禁忌となります。医師から十分な説明を受け、納得したうえで治療を受けてください。
最近は晩婚化が進んでいることもあり、高年齢で妊娠・出産する方が多くなってきました。今後は妊娠中に乳がんが発見されるケースがますます増えていくと考えられています。
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- 図:妊娠期別にみた乳がんの治療
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乳癌診療Tips&Traps No.18(2007年2月発行)Question2を再編集しています。
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