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本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医にご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

乳がん Q&A

乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。

乳がんにはいろいろな性格があると聞きますが、その中のトリプルネガティブ乳がんとは、どんな乳がんですか?

エストロゲンレセプター(ER)、プロゲステロンレセプター(PgR)、HER2が陰性という性格の乳がんです。

渡辺亨先生
(浜松オンコロジーセンター長)

乳がんには、増殖するための因子がいくつかありますが、現在はっきりわかっているのが、ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)とHER2です。これらの因子を取り込むことによって増殖する乳がんについては、これらの因子を取り込ませないようにする治療法が取られます。たとえば、ホルモン陽性(ER陽性あるいはPgR陽性)の乳がんならホルモン療法、HER2陽性の乳がんなら抗HER2療法というようにです。しかし、これらすべてが陰性であるトリプルネガティブ乳がんは、ホルモンやHER2の攻撃目標がないため、現在のところ一般的な抗がん剤治療が行われます。
しかし、最近ではトリプルネガティブ乳がんの標的となる因子についての研究が進められ、細胞の修復を助けるPARP1という分子がその標的になるということがわかったことから、その分子を攻撃する薬剤が開発されつつあります。

乳癌診療Tips&Traps No.27(2009年12月発行)Topicsを再編集しています。

※掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。