乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
線維腺腫という診断を受けました。今後、どのような治療を受けるのでしょうか?
針の検査まで行って線維腺腫と確認できれば、多くの場合治療の必要はありません。
照屋史子先生
(公益財団法人がん研究会がん研有明病院乳腺センター)
岩瀬拓士先生
(公益財団法人がん研究会がん研有明病院乳腺センター長兼乳腺外科部長)
線維腺腫は、20~30代の女性によく起こる良性の腫瘍(しこり)です。
通常2~3cm位まで大きくなりますが、それ以上は大きくならず、多くの場合治療の必要はありません。手で触れる腫瘤ではきちんと検査をして針の検査まで行い、線維腺腫であることを確認すべきです。それを確認できれば、経過をみるための定期的な通院も必要ありません。
線維腺腫と診断された乳がん検診が不要な20代の女性は、定期的に自身でチェックし、大きさ、形、数、硬さに何らかの変化がみられた時点で再診すると良いでしょう。そうすることで、必要以上の画像検査による被曝や経済的負担も軽減できます。
市町村の乳癌検診を考えている40歳以上の女性で線維腺腫と診断された場合は、検診のたびに毎回ひっかかる可能性があり、経時的な比較が行える医療機関での検診をお勧めします。
線維腺腫のために何度も要精査となり、不必要な検査を繰り返すことがないように、適切な医療機関を選択することが重要と思われます。
乳癌診療Tips&Traps No.39(2013年3月発刊)Question1を再編集しています。
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