乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
乳房MRIガイドラインというものがあることを知りました。これは何でしょうか。
乳がん発症がハイリスクな女性たちが乳房チェックの目的でMRIを受ける際のガイドラインのことです。日本乳癌検診学会により作成されました。
角田博子先生
(聖路加国際病院放射線科医長)
遺伝的に乳がんになりやすい若い女性では、マンモグラフィよりMRIの方が乳がんをより見つけやすいということが報告されています。しかし乳房MRIは、体の中に金属がある方や心臓ペースメーカーを入れている方などには使うことができません。また造影剤というお薬を使ってはじめて画像を得ることができるので、造影剤にアレルギーのある方や腎機能の低下した方などにも使用できません。さらに、ほかの画像診断と同じように高い精度管理のもとに使ってはじめて威力を発揮するため、日本乳癌検診学会によりガイドライン(「乳がん発症ハイリスクグループに対する乳房MRIスクリーニングに関するガイドラインver.1.0」)が作成されました。MRIで陽性所見が出た場合には、組織検査まで行う必要もあり、スクリーニングというより精密検査に近いかたちで使うことも知っておくことが重要です。
乳癌診療Tips&Traps No.38(2012年12月発刊)Topicsを再編集しています。
※掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。