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本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医にご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

乳がん Q&A

乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。

マンモグラフィ(X線撮影)を受けたのに、超音波も必要ですか?

超音波検査でしか発見できないがんもあります。

佐久間浩先生
(癌研究会附属病院臨床検査第I部)

マンモグラフィは、石灰化の描出能が優れているため、極めて初期である非浸潤がんを見つけられることもありますが、しこりに関しては手でしっかり触れるような浸潤がんであっても描出されないことがあります。よってマンモグラフィだけでは乳がんの15~20%が見逃されてしまうことになります。
超音波は、しこりの描出が得意です。そのしこりの性質によって発見できるしこりの大きさは異なりますが、まず5mmから1cmの間でほとんどの浸潤がんを見つけることが可能でしょう。浸潤がんの場合、しこりの大きさが2cm以下であれば10年生存率がほぼ90%ですから、超音波では早期の浸潤がんを見つけられることになります。
非浸潤がん・浸潤がんともに、石灰化のない症例の場合は、マンモグラフィでは見えずに超音波でしか発見できないものがあるのです。

石灰化

乳房内にできたカルシウムの沈着物を「乳房内石灰化」といいます。マンモグラフィ検査で映る石灰化の形や分布によって、明らかに良性の石灰化(血管、脂肪壊死、乳腺症に伴うものなど)と、がんなど悪性が疑われる石灰化に分けられます。マンモグラフィ検査による石灰化のみで発見される早期乳がんが増加しています。

浸潤がん

乳がんは、乳腺を構成している乳管や小葉の内腔(内側)の上皮細胞から発生します。がん細胞が乳管や小葉を包む基底膜を破って外に出ているものを、「浸潤がん」といいます。

非浸潤がん

乳がんは、乳腺を構成している乳管や小葉の内腔(内側)の上皮細胞から発生します。がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっているものを、「非浸潤がん」といいます。

乳癌診療Tips&Traps No.4(2002年3月発行)Question1を再編集しています。

※掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。