乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
乳がんの手術でわきの下のリンパ節を切除しました。腕がむくむかもしれないと言われましたが、予防法を教えてください。
日常生活の中で腕に負担をかけない工夫をしていくことが大切です。
武石優子先生
(公益財団法人がん研有明病院看護部乳がん看護認定看護師)
乳がんの手術でわきの下のリンパ節を切除した場合に、リンパ液の流れが悪くなり患側の腕がむくむ(リンパ浮腫)ことがあります。また、まれにセンチネルリンパ節生検も原因になることもありますが、リンパ浮腫は進行し、症状が悪化してしまうと完治が難しくなりますので、予防に努めながら、浮腫が起きてきたら早めに気づいて対処することが大切です。
リンパ浮腫の予防と早期発見のためには、患側の腕に負担をかけないように次の点に注意することです。
予防のために
- 部分的に締め付ける衣類やアクセサリーは避けましょう。
- 皮膚を傷つけないようにしましょう。
早期発見のために
- 異常のない状態を把握しておきましょう。
それぞれの対策法を表にまとめましたので、参考にしてください。
これらの対策は継続することが大切ですので、生活に取り入れやすいものから実践して、ストレスがかからないようにしてください。
日常生活で気をつけること |
1.手術した側の腕に負担をかけない |
2.手術した側の腕の皮膚を傷つけない |
3.体重を増やさない |
4.体内の水分循環量の増加に注意 |
早期発見のために覚えておくこと |
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1.手術前に手術した側の腕、体重を測定する |
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2.手術後は腕と体重を定期的に測定する |
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3.腕が規定の測定値を超える場合は、医師・看護師に相談する |
乳癌診療Tips&Traps No.31(2011年5月発行)Question3を再編集しています。
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