乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
乳がん手術後の乳房再建について、教えてください。
乳がん手術と同時に行う一期再建、手術後期間をあけて行う二期再建があります。
岩平佳子先生
(医療法人社団ブレストサージャリークリニック院長)
再建に使用する素材によって人工物による再建と、患者さん自身の皮膚組織による再建、両者の併用とに分けられます。なかでも人工物再建は、患者さんの体力的な負担が少ないことから、年々増加しています。ここでは人工物を用いた再建のお話をします。
一期再建では、乳腺を摘出した直後にティッシュエキスパンダー(人工物を埋め込むところの皮膚や皮下組織を伸ばすための器具)を入れて、人工物を入れるためのポケットをつくります。ティッシュエキスパンダーは生理食塩水を入れて膨らませておきますので、乳房の形を手術しなかった側と同じくらいに保つことができます。そして、皮膚が十分に伸展する頃(手術から約6~8カ月後)に人工物と入れ替えます。
二期再建でもまったく同じようにティッシュエキスパンダーを入れて、人工物への入れ替えを行います。
乳癌診療Tips&Traps No.34(2011年12月発刊)Question3を再編集しています。
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