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本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医にご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

乳がん Q&A

乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。

乳房温存療法の生存率はどのくらいですか?

腫瘍の大きさが3cm以下の乳がんで、乳房温存療法を受けた症例の10年生存率は、89.4%と報告されています。

稲治英生先生
(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター乳腺・内分泌外科主任部長)
菰池佳史先生
(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター乳腺・内分泌外科副部長)

上記のデータは、1993年までに乳房温存療法を受けた腫瘍径3cm以下の乳がんを対象にアンケート調査を行って得られたもので、1,901例の患者さんについて解析を行った結果です(厚生労働省がん研究助成金による研究、2004年)。これは非常に良好な結果といえます。また、乳房温存療法後の温存乳房内の再発は、放射線療法も行った症例では10年再発率が7%にとどまることも明らかになっています。
この調査の対象は1993年以前の症例ですから、その後の画像診断や術後療法の進歩を考えると、その成績は、現在さらに向上しているだろうと推測できます。

乳癌診療Tips&Traps No.20(2007年7月発行)Question1を再編集しています。

※掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。