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本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医にご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

乳がん Q&A

乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。

乳がんの初回治療後に肺にも病変があるといわれました。どうしたらよいですか?

肺で見つかったがんが、乳がん由来の転移によるものか正確に診断することが重要です。その診断結果に基づいて治療方法が決定されます。

佐藤未来先生、大貫幸二先生
(岩手県立中央病院乳腺・内分泌外科)

乳がんの初回治療後に他の臓器へ転移しているのが見つかる場所は、骨、肺、肝臓の順で多くみられます。その転移が、乳がん由来のものであると判断できれば乳がんに対する治療を、それが肺がんなど、別の臓器のがん由来であればその臓器のがんに対する治療を考えるのが一般的です。しかし、まれに他の臓器に見つかったがんが、どのがんに由来するのか判断が難しい場合もあり、関係する科の先生方と慎重に診断を確定しています。
また肺に見つかったがんが、乳がんからの転移と診断されても、乳がんの原発巣病理診断結果が一致しないという報告もあります。そのため、転移した場所の生検を行い、より詳細に調べることもありますが、生検によるメリットやデメリットを患者さんやその家族と十分話し合い、最終的に患者さんの希望に沿った形で検査、治療を進めます。
肺への転移が見つかった場合、正確な診断を行い、それに基づいた治療を行うことが大事ですが、何よりも、再発・転移させないように初回に適切な治療を行う必要があります。

原発巣

最初にがんが発生した場所をいいます。

病理診断

患部から採取された組織の一部を顕微鏡などで調べて、病変の種類や性質などを診断することをいいます。

生検

病理診断のひとつ。生体組織検査。患部の組織の一部をメスや針などで切り取り、顕微鏡などで調べる検査をいいます。

乳癌診療Tips&Traps No.42(2014年2月発刊)Question3を再編集しています。

※掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。