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本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医にご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

乳がん Q&A

乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。

骨に転移したがんの痛みをやわらげることはできますか?

種々の薬物や放射線療法などを組み合わせて痛みをやわらげることが可能です。

河野範男先生
(兵庫県立成人病センター外科部長)

がん細胞が骨に転移すると、骨の痛み(骨痛)や骨折、脊髄圧迫、高カルシウム血症など、さまざまな合併症が引き起こされます。なかでも骨痛が現れる頻度は高く、患者さんの生活の質(QOL)を大きく低下させてしまうため、痛みをやわらげる治療はとても大切になります。
骨痛の治療には、抗がん剤やホルモン剤などとともに鎮痛剤や麻薬用いる場合があります。また、これらとともに放射線療法や神経ブロックなど局所療法を行うこともあります。
最近になって、がん細胞が骨に転移する仕組みが少しずつ明らかになってきました。がん細胞からの指令により活性化された破骨細胞が骨を壊していき、破壊されたところに、がん細胞が転移して増殖を始めるのです。そこで、破骨細胞のはたらきを抑える薬剤(ビスホスホネート製剤)が開発されています。ビスホスホネート製剤は、骨痛やその他の合併症状を抑える働きのあることが証明されており、鎮痛剤あるいは麻薬使用頻度の減少あるいは、これら薬剤が不要になることもあります。

高カルシウム血症

高カルシウム血症は、血液中のカルシウム濃度が非常に高くなった状態です。がんが骨に転移して骨の細胞を破壊すると、カルシウムが血液中に放出されて高カルシウム血症が起こります。初期症状としては、便秘、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲減退、多尿などがあります。

乳癌診療Tips&Traps No.5(2002年5月発行)Question3を再編集しています。

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