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本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医にご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

乳がん Q&A

乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。

骨転移の治療としてビスホスホネート製剤の投与を受けていますが、その効果と副作用について教えてください。

ビスホスホネート製剤は、破骨細胞の機能を抑え、がん細胞が骨に定着するのを妨げて骨転移の進行を抑えるお薬です。

河野範男先生
(東京医科大学病院乳腺科教授)

ビスホスホネート製剤は、骨がもろくなるのを抑え、症状の発現を抑えたり、症状を軽くします。骨転移と診断された時点からの投与が推奨され、だいたい3~4週ごとに15分かけて点滴投与されます。
副作用として比較的多く認められるのが発熱や一過性の骨痛で、初回の点滴時に多くあらわれますが、2~3日で自然に回復します。重篤な副作用として、腎障害と顎骨壊死がありますが、腎障害は決められたとおりに使用すれば心配ありません。顎骨壊死はビスホスホネート製剤を長期間投与されている人や口腔内に疾患のある人に多くみられますので、そのような患者さんは、ビスホスホネート製剤を使用する前にまずその治療を先に行い、治るのを待ってから治療を開始します。
もし治療中に歯科にかからなければならない時はビスホスホネート製剤を使用していることを歯科医師に伝えてください。また、治療中は定期的に歯科医の診察を受けたり、口腔内の清潔を心がけましょう。

乳癌診療Tips&Traps No.27(2009年12月発行)Question2を再編集しています。

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