乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
抗がん剤治療を受けていますが、手や足がしびれます。対策方法を教えてください。
温かい手袋や靴下を身につけて保温し、末梢での血流を改善させると良いですが、痛みがひどい場合は主治医に相談しましょう。
山下年成先生
(がん・感染症センター都立駒込病院外科(乳腺)医長)
抗がん剤によっては治療を続けるうち、手足などがしびれるという末梢神経障害の副作用があらわれることがあります。今のところ、抗がん剤による末梢神経障害に対する有効な治療法は、はっきりとわかっておらず、症状がつらい場合には抗がん剤の投与量を減らすか、治療をお休みします。つまり、治療を継続している間は、しびれそのものをなくすことが難しいのです。
一方で、しびれは自覚的な症状の副作用ですので、患者さん自身が耐えることができれば抗がん剤治療を継続することができます。そこで、しびれを感じにくくすることが勧められます。しびれは、冷えることで強く感じやすくなりますので、「末梢を冷やさない」ことがポイントとなります。温かい手袋や靴下を身につけるだけでなく、軽いマッサージやぬるめのお湯で患部を温めたり、手指の運動を行うことが良いといわれています。
ただし、痛みがひどい場合には、これを抑えるお薬もありますので、つらいと感じた場合は医師や看護師に相談しましょう。
乳癌診療Tips&Traps No.35(2012年3月発刊)Question2を再編集しています。
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