乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
抗がん剤治療を受けていますが、爪全体がもろく欠けやすくなりました。対策方法を教えてください。
爪は短めに切って清潔に保ち、保湿を心がけましょう。
山下年成先生
(がん・感染症センター都立駒込病院外科(乳腺)医長)
抗がん剤によっては治療を続けるうち、爪に横向きの陥凹ができたり、変色するなど、爪に副作用があらわれることがあります。また、ひどくなると、もろくなって欠けたり、はがれたりして、膿が出ることもあります。爪は何かに引っかかると、欠けたり、はがれやすくなりますので、これを予防するために適度に切りそろえておくとよいでしょう。
また、このような爪の変化を予防する方法として、最近の臨床試験において、抗がん剤点滴中にコールドグローブ(ジェル状の保冷剤を使用したスポーツ用の冷却用品)で手を冷やして血流を減少させ、抗がん剤が爪に届かないようにすることで、爪の変化が減少することが確認されています。
乳癌診療Tips&Traps No.35(2012年3月発刊)Question2を再編集しています。
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