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本サイトは医師を対象とした定期刊行誌「乳癌診療Tips&Traps(2001年9月~2015年9月発刊)」(非売品:大鵬薬品工業株式会社提供)の編集に携わる先生方を中心にたくさんの乳腺専門医にご協力いただきながら乳がんに関する情報をわかりやすくQ&Aやアニメーション形式で提供しています。掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。

乳がん Q&A

乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。

がんによる痛みの治療について教えてください。

早い時期から、がん治療と同時に痛みを緩和する治療を行います。

向山雄人先生
(癌研究会有明病院緩和ケア科部長)

がんによる痛み(がん性疼痛)としては、①がん自体が原因となる痛み、②がんに関連した(骨への転移など)痛み、③がん治療に関連して(放射線治療の副作用、抗がん剤の副作用による口内炎など)起こる痛み、④がんに併発した病気(変形性関節炎など)の痛み、などがあります。
痛みはもっとも不快な症状のひとつ。しかも、がんによる痛みは特に強く持続することが特徴です。その痛みを我慢したからといって治療効果が上がることはありません。それどころか痛みを我慢していると食事がとれなかったり、眠れなかったりして、かえってよくない結果を招きかねません。痛みがとれなければ体を動かすことができず、不安も大きくなるばかりなので、できるだけ早く治療を受けて、痛みを緩和することが必要です。

よく眠り、体をスムーズに動かすために

がんに伴う痛みを緩和する治療(疼痛治療)は、まず夜間によく眠れること、次にじっとしていても痛みを感じないこと、最終的には体を動かしても強く痛まないことが目標となります。
疼痛治療は痛みの強さに応じて段階的に行われます。軽い痛みであれば、消炎鎮痛薬から開始されますが、改善されない場合は、医療用の麻薬を弱いものから強いものまで使い分けます。麻薬といっても、習慣性があったり、幻覚や幻聴が出たりするわけではないので安心してください。このほか、痛みの性質によっては放射線治療を組み合わせることもあります。
どんな薬をどのように使えばよいのか、痛みに対する正しい診断を受け、いちばん合う薬を選ぶためにも、痛みは我慢しないほうがよいのです。

乳癌診療Tips&Traps No.18(2007年2月発行)Question3を再編集しています。

※掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。