乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
ホルモン療法を受けていますが、更年期障害のような症状が出ています。なにか良い対処法はありますか。
生活習慣の工夫で改善できます。それでもつらい場合は主治医に相談しましょう。
川嶋朗先生
(東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長)
乳がんの約7割がホルモン感受性です。ERあるいはPgRが陽性の場合には、ホルモン療法を行いますが、これによって更年期様症状があらわれることがあります。更年期様症状は下記のような生活習慣の工夫で改善できますが、それでもつらい場合には、この症状を改善する治療法がありますので主治医に相談しましょう。
更年期症状によく見られる症状と生活習慣の工夫
- 冷えやのぼせ:温度調節ができる服装を心がけること。
- イライラや気分の落ち込み:食事や家事、睡眠と生活にリズムをつけ、趣味や軽いスポーツなどでストレスを解消しましょう。
更年期症状に有効なツボを温める
更年期症状に有効なツボがいくつかあります(図)。いちばん良いのは鍼灸院で治療してもらうことですが、時間のない方はドライヤーで温めることをお勧めします(ドライヤーお灸)。ドライヤーの温風は広い範囲を温めることができます。「だいたいこのあたり」とツボのあるあたりに風を向けると、ツボの部分だけが自然に熱をもってきますので、すぐに温める場所がわかります。
ドライヤーお灸の方法
- ツボを探す:ツボのあたりを指先で軽く押して、気持ちよさを感じるところがツボです。
- ツボに温風をあてる:10センチ以上距離を置いて、1で探したツボに温風をあてます。しばらくすると、とくに熱さを感じるポイントがあります。
- とくに熱さを感じるポイントを5分間温める:2のポイントを狙って、ドライヤーを近づけ、熱いと感じたら離します。これを5回繰り返します。
-
-
- 図:更年期症状に有効なツボ
-
①三陰交:内くるぶしの3寸上
②四満:へその左右外側0.5寸、へそ中央より2寸下
③血海:膝蓋骨内側の上縁2寸上
-
乳癌診療Tips&Traps No.29(2010年9月発刊)Question2を再編集しています。
※掲載された情報は、公開当時の最新の知見によるもので、現状と異なる場合があります。また、執筆者の所属・役職等は公開当時のもので、現在は異なる場合があります。