乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
乳がん専門の看護師はいるのですか?
がん看護を専門に勉強し、「乳がん看護認定看護師」、「がん看護専門看護師」といった資格を取得した看護師がいます。
小松浩子先生
(慶應義塾大学看護医療学部教授)
看護師の役割は、患者さんご自身が乳がんの性質や特徴をよく理解し、最も効果的で納得のいく治療やケアを受け、再発や二次がんの予防・早期発見に取り組むことができるよう伴走することです。つまり、患者さんの意向やニーズを反映しつつ、患者さん自身がよく考え納得のもとに治療を継続できるよう、医療チームと患者さんやそのご家族の間で情報やコミュニケーションの食い違いが生まれないよう橋渡しするケアコーディネーターの役割を担っています。そして、病中病後も実りある人生を歩めるよう支援しています。
その役割を担う中で、より「がん」について深く学び、実践を重ねてきた看護の専門家がいます。乳がん看護の専門家には、「乳がん看護認定看護師」と「がん看護専門看護師」の2種の資格認定制度があります。乳がん看護認定看護師は、日本看護協会認定看護師認定審査に合格し認定された看護師で、水準の高い看護が実践でき、一般の看護師に対し指導やコンサルテーションも行えます。また、がん看護専門看護師は、看護系大学院にて教育を受けた看護師で、高度な看護が実践できるだけなく、医療チームにおける調整やコンサルテーション、倫理的調整をも実施できる能力を磨いた専門家です。
現在(2013年6月)、乳がん看護認定看護師は187名、がん看護専門看護師は432名資格を取得(※)し、現場で活躍しています。
がん患者さんの多くは、再発や死への恐怖、治療継続への負担などを抱えています。患者さんご自身の生活を実り多いものにできるよう、全ての看護師は、現場がどのように忙しくとも折々の悩みに耳を傾け、ともに考える姿勢を持ちながら看護をするよう心掛けています。
- 2017年3月現在 乳がん看護認定看護師は316名、がん看護専門看護師は713名が登録されています
乳癌診療Tips&Traps No.41(2013年10月発行)Question3を再編集しています。
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