乳がん Q&A
乳がんに関する様々な疑問を乳腺専門医が分かりやすく解説しています。
主治医が男性の先生です。とても気さくで良い先生なのですが、相談しにくいこともあります。乳がん診療をサポートする専門の看護師さんがいると聞きましたが?
「ブレストケアナース」といって、乳がん診療における専門的な知識や情報を身につけ、術後のリハビリテーションや薬物療法などを続ける患者さんや家族が必要とする専門性の高いケアを行っています。
阿部恭子先生
(千葉大学看護学部)
乳がんは、母や妻として、さらにはビジネスウーマンとして重要な責任を負う壮年期の女性の罹患率が高い疾患です。このため、患者さんはもちろん、周囲の人の身体的・精神的な負担がとても大きくなります。ブレストケアナースは、このような患者さんの負担を軽くするために心理的サポートはもちろん、治療法の選択のサポート、術後リハビリテーションやリンパ浮腫予防の継続支援、そして化学療法を受ける場合の専門性の高いケアを行っています。しかし、ブレストケアナース(乳がん看護認定看護師)になるためには乳がん治療に対する豊富な知識や経験が必要で、そのためには、特別な教育が必要ですが、日本ではその教育制度がスタートして間もないことなどから、全国で100名程度(※)しかいません。
また、看護の実践に限らず、医療機関内における乳がん看護向上のために、看護師向けの勉強会等を企画・実施したり、乳がん看護の実践風景を他の看護スタッフに見せるなど、知識や熟練した技術の普及を図ることも役割のひとつとなっています。
- 2017年3月現在 全国で300名超が登録されています
乳癌診療Tips&Traps No.23(2008年8月発行)Question3を再編集しています。
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